子育て少し息抜きしませんか?

小児はりで子育ては楽しい

小児はりとは

 

小児鍼(はり)とは、諸説ありますが、主に大阪(針中野)を中心に広まったと言われています。

一般に使われている鍼灸治療の鍼(太さ0.06ミリ)は使いません。子どもの皮膚はとても敏感で、その太さで直接刺してしまうと刺激が強すぎる場合があります。そこで小児鍼(はり)で使われる鍼は、基本的には刺さない鍼を使用しています。羽毛で撫でられているような感触で、ほとんど痛みを感じることはなく、気持ちが良い鍼です。

 

 

腎臓は3歳で完成

 

 

鍼灸師は、子ども達の身体を、どのように考えているかお話しますね。

 



東洋医学では、物事や物体を『陰と陽』、つまり光と影で考えます。例えば、太陽が陽で、月は陰、腹側は陰で背中側は陽などです。子どもは、陰と陽で分けた時に陽に分類され、尚且つ陽の気を沢山持って生まれてくると言われています。子どもはもともと体温が高いうえに、熱が上がりやすく、高温になることが多いのも、基本の体質が「陽」であるからです。

 

 

大人の場合では、高熱になると悪寒がするものですが、子どもの場合は悪寒は長続きせず、すぐに手足が熱くなり、布団をはねのけます。「陽」が高じて熱が広がっていると考え、子どもを『陽の気の塊』と言います。

 

 

 

東洋医学では、生きていくうえで必要になる「気」エネルギーのことを『先天の精』と『後天の精』と言います。
『先天の精』とは?先天的に親から受け継いだエネルギーを意味します。
『後天の精』とは?食べ物(飲食)から作られたエネルギーと考えられています。

 


そのエネルギーが不足してしまうと、体に様々な不調が出てきてしまうという考え方が東洋医学ではあります。

では『先天の精』と『後天の精』を生成、貯蔵、輸送する臓器はどこになるのか?それは『腎臓』であると言います。

 

 

東洋医学において、腎臓は人体の生命活動を維持する基本的な栄養物質-すなわち「精」-を貯蔵し、五藏六府に供給することで、健全な働きを維持している臓器だと考えられています。乳幼児(胎児も含め)では、発育などにも影響するとも言われています。腎の気が不足すると、先天性の発育不良、早老化現象の原因にも繋がるなどとも言われています。

 

そして、東洋医学では、からだの異常を「気・血・津液」の乱れとしてとらえます。

 


気は生まれながらのパワーを指すこともありますが、一般的には精神的、神経的、ホルモンに関連しており、血は血、津液は血液以外の体液全般の機能だと考えられています。

 

 

「気」の異常としては、落ち着きのない子や心身症にみられる気滞(気の滞り)など、ストレスの為に精神的なエネルギーが低下した気うつ、虚弱児にみられる場合があります。

 

 

「津液」の異常も子どもには多く、喘息やおう吐、下痢などには水毒(水滞ともいいますが)が関係していると考えられています。

 


水毒とは、体内の水分の流れが滞ってしまい、尿などが過敏になったり、のどが異様に渇きやすかったりする症状です。

 

 

※ 思春期前の子どもの場合は、「血」の異常はあまり見られないと考えます。

 


上記のような考え方を用いて治療を行います。

 


・小児鍼(はり)の治療方法
小児鍼(はり)は、直接肌に刺さずに行う鍼治療です。では、どのような鍼を使うのかご紹介をしていきます。

 

 

 

小児鍼(はり)は上記の様な鍼を使います。

使用する鍼の写真を見てみると、刺すような形状をしていないのがわかります。

小児鍼では、基本的に、このような鍼を使って子どもの体を軽くさすったり、優しく叩くように、またはスタンプを押すように刺激をする鍼がほとんどです。

 

 

小児鍼は刺すのではなく『接触鍼』・『擦過鍼』と呼ばれています。
・皮膚に優しく触れたり、擦るだけの鍼を使用することが多いです。

 

この鍼を治療に取り入れることにより、子どもの体を優しく刺激することによって自律神経などを整えたり免疫力を高めていきます。

 

 

小児鍼(はり)は、症状によって様々な場所に治療を行いますが、基本的には体全体を刺激していきます。その中で症状にあった場所をより重点的に行っています。

 

 

おねしょが気になるのであれば膀胱と関係のあるツボを刺激したり、咳が出るのであれば肺に関係をしているツボを刺激します。

 

 

・治療院を怖がるお子様

初めて小児鍼(はり)を行う場合、子どもは怖がると思います。

そのような時は、親御さんに抱っこをしてもらい安心した常態で治療を行います。
慣れてきたらベッドに寝かせたりイスに座らせた状態で治療することも可能です。
このように、小児鍼(はり)は刺さないので子どもへの負担も最小限で治療を行うことが出来ます。

 

 

・適応症状、適応年齢は?

生後2か月(首が座る)~12歳(中学生)まで

小学校の高学年になると通常の鍼の刺激にも対応できるようになってくるので、高学年の子どもには通常の鍼を使うこともあります。


・小児鍼(はり)で改善が見られる症状は下記です。

 

疳の虫、夜泣き・寝つきが悪い、おねしょ、食欲がない、下痢・便秘、体調がすぐれない、ごろごろとあまり動こうとしない
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、小児喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症など)神経質、落ち着きがない、集中力がない、チック症、発達障害風邪症状(風邪をひきやすい、微熱が続く、鼻水、咳、発熱)などの症状に効果的だと言われています。

 

 

しかし、効果の現れ方は個人差があるので誰もがすぐに改善というわけではないです。まずは、5回は続けてみてください。回数券もご用意しております。(5回 4000円)
継続的に治療を続けて体質をしっかりと改善していくことが重要になってきます。

 

 

 

・小児鍼(はり)で言われる『疳の虫(かんのむし)』について
疳の虫とは、特に乳幼児期に多い精神的ストレスの事を言います。
キーキー声、物を投げつける、夜中によく泣き叫ぶ、驚いて飛び起きる、食欲不振、下痢、乳吐きなどが主な症状です。

このような状態を放置したり、過度にしかりすぎると、さらに感情的な障害としてひきつけ・チック症・夜尿症などさまざまな状態に発展してしまう事があります。

 

 

下記に書いたような症状が見られる場合は疳の虫の場合が高いと考えられています。

 

• 顔色が悪く青白い。
• 眉間や鼻根(目と目の間の鼻が始まる場所)の上に青すじ(静脈の怒張)がみられる。
• 食欲が平素より落ちて、ぐったりしている。
• 髪の毛が逆立っている。
• おへその周りが赤くなる。
• 表情に明るさがなく、元気がない。

 

このような症状に少しでも心当たりがある場合は、一度専門家に相談をしてみることをオススメします。

このように、小児鍼(はり)は幅広い症状に対して治療を行うことが可能です。

 

 

 

・治療費用と施術時間

 

魅力の多い小児鍼(はり)ですが、治療費用や時間も気になるかもしれませんが、1回1000円です。安心して定期的に通えそうな金額設定です。回数券は5回4000円です。

初診料が別途1000円かかります。

 

時間は15分前後が一般的です。(少しですが、ママの身体も調整します)

 

 


小児鍼(はり)という言葉を始めて聞いたという方もいるかもしれません。

しかし、古くから行われていた治療方法であり現在まで受け継がれている伝統的な治療方法です。

病院以外での治療方法も含めて、治療機関を選ぶときの選択肢が増えればと思います。

 

 

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